診察室では伝えきれないこと Vol.99~愛媛経済レポート~令和5年5月号

~診察室で伝えきれないこと~

愛媛経済レポート

令和5年5月号に掲載されたコラム

 

磨きやすさ/咬み合わせ/矯正治療/

 

 大人の矯正治療

 本日のテーマは「矯正治療」。自分の歯を長く使っていくためにメインテナンスに通う、自身でもしっかり磨く。これ、とても大事なのですが、歯を「むし歯」「歯周病」「破折」から守るもう一つの側面として、その歯が置かれている環境も大事になってきます。

 一つ挙げると「磨きやすさ」です。歯の方向が斜めになっていたり、歯同士が重なっている場合、フロスを入れるのが難しく、歯ブラシが届きにくい。そんな歯は当然むし歯になりやすく、治療してもリスクは残ったままですのでとても再発しやすい状態です

 もう一つ、「咬み合わせ」。

 例えばお口を閉じても前歯は全く当たらず、小臼歯や大臼歯だけで咬んでいる状態。一本一本の歯には、それぞれ咬む力に対して負担すべき役割があります。先述した咬み合わせは、前歯が本来負担すべき役割を全て小臼歯や大臼歯が担うことになり、小臼歯大臼歯等には通常の何倍もの力が常にかかることになります。どれだけ一生懸命磨いても、メインテナンスに行っても咬み合わせは基本的には変わりません。当然ながら「詰め物が外れた」「咬むと違和感がある」等の症状は多くなりますし、歯本来の寿命も短くなります。

 「磨きやすさ」「咬み合わせ」…このリスクを劇的に改善させることができるかもしれない治療法があります。それが矯正治療。

 矯正治療は子供の時にやるものじゃないの?もちろん小さい頃からリスクの低い環境を作れれば最高ですが、今からでも遅くない場合も多い。自分の歯を大切にするために、環境を整えることでリスクを劇的に減らすことが出来る可能性がある。なんといっても矯正治療のメリットは、歯を削るのではなく環境を整えること。

 実は、「磨きやすい」「理想的な咬み合わせ」の歯並びは結果的に「見栄えもキレイ!」。大人になってからの矯正治療はとてもお勧めです。当院でも相談は受け付けておりますので、お気軽にお問い合せください。

 


ノエルクリニック心臓血管外科歯科