診察室では伝えきれないこと Vol.91~愛媛経済レポート~令和4年9月号
~診察室で伝えきれないこと~
愛媛経済レポート
令和4年9月号に掲載されたコラム
あなたに潜む3つのリスク
先日のこと、松山市の数件の歯科医院で合同勉強会がありました。勉強会のテーマは「長期症例でみるメインテナンスの底力」…私がいつも書いている「長い時間軸でのお口の中のコントロール」そのもの。
その発表内容では、患者様のリスクを大きく3パターンに分類。これ、非常に分かりやすいので今回皆様にも共有したいと思います。
1.「むし歯」のリスクが高い方
2.「歯周病」のリスクが高い方
3.「力」のリスクが高い方
4.混合型(組み合わせ)
患者様ごとに、どのリスクが高いかを判断して長期的なメインテナンスを行わなければなりません。そして、リスクに応じてメインテナンスの方法を変えていく必要があります。
それでは、「むし歯のリスクが高い方」に最も重要なアプローチ方法は何か?
磨き方⁈いいえ、違います。「むし歯のリスクが高い方」に最も大事なことは「生活習慣の改善」です。
むし歯は、むし歯菌がショ糖を餌にして酸性となった環境下で歯を溶かすのが本質。まず、磨き方よりも、むし歯菌の餌となる「ショ糖」の摂取量と頻度、それから摂取のタイミングをコントロールすると良い結果が出ます。本当は「砂糖取るな」、これで終わりです(笑)が、難しいのが実際。そこで、口の中のプラーク中のPHの動きを考えながら「摂取タイミング」等の改善をお伝えするのです。(PHの変化のお話は、ぜひ当院のYouTubeをご覧ください。詳しく説明してあります)。
では、「歯周病のリスクが高い方」の最初のアプローチは生活習慣?
いいえ、「歯周病のリスクが高い方」のアプローチの1丁目1番地は「プラークコントロール」。プラークコントロールって何?と言う方はバックナンバーを参照してみてください。
この様に、リスクに応じて取るべきメインテナンス方法が変わります。皆様の参考になれば!
ノエルクリニック心臓血管外科歯科