診察室では伝えきれないこと Vol.88~愛媛経済レポート~令和4年6月号

~診察室で伝えきれないこと~

愛媛経済レポート

令和4年6月号に掲載されたコラム

国民皆歯科検診/節目歯周病検診/

 

「国民皆歯科検診」について思うこと

 

 「国民皆歯科検診」ニュースになっていますね。政府が今年の「骨太の方針」で検討する方針を盛り込んだ「国民皆歯科検診」、患者様からも「あれってどうなの?」という声をチラホラいただきます。

 この歯科検診が、「検診」なのか「健診」なのかは下記に置いておいて…(言葉の使い方って哲学が出たりするので)、松山市ではその他に「個別妊婦歯科健康診査」「節目歯周病検診」等があります。皆様、聞いたことありますでしょうか?

 ノエルクリニックでは「個別妊婦歯科健康診査」「節目歯周病検診」に関しては登録医療機関になっているのですが、最も感じるのが「自分のお口の中の事を知る(興味を持つ)良いキッカケ」になっている方が多い!という事実。とにかく、何かキッカケがないと行きたくないのが病院(クリニック)。そのキッカケを自覚症状が無いうちに作ることの大切さをとても感じています。

 特に「節目歯周病検診」に関しては、40歳の節目で松山市からお手紙がやってきます。私もその年齢に近いですが(笑)、働き盛りの40歳!手紙が来ないと絶対に行かなかった!なんて方も多いはず。レントゲン撮影は行わないので、細かい診断を…というのは不可能ですが、普段からお口の中で気になっている事を歯科医師や歯科衛生士に相談してみたり、お口の中と全身の疾患の関連性を知ることが出来たりとデメリットがあまり無い。

 冒頭に書きましたが、「検診」と「健診」は正確には言葉の意味は違う。〈検診〉特定の病気を発見するために行う検査のことを指し、病気を早期発見し、早期治療につなげることを目的。〈健診〉いわゆる健康診断のことで、自身の健康状態を確認し、病気を予防することを目的。

 ただ、この意味の議論よりも「己を知れば百戦殆うからず」です。患者様にとって状態の把握が最も大事。今回の骨太の方針も、そんなキッカケになれば良いなと。

 

 


ノエルクリニック心臓血管外科歯科