診察室では伝えきれないこと Vol.67~愛媛経済レポート~8月号

~診察室で伝えきれないこと~

令和2年8月号に月号に掲載されたコラム

歯磨き/歯の寿命/歯石/セルフケア

考え方、価値観が変わることが一番の予防

先日の診療室での患者様との会話を紹介します。

「先生、私、歯磨きをしないで寝る・・・なんてことがなくなりました。このクリニックに来てからどれだけ酔っ払っても歯だけは磨いて寝る!」

 この言葉を聞いたとき、治療だけでなく患者様自身が毎日のケアの大切さや歯に対する価値観が変わってくれてる事を感じ、とても嬉しかったのを覚えています。これだけ価値観が変われば、この方の歯の寿命はぐっと伸びるハズ!

 というのも、私たち歯科医院のスタッフも全く同じだからです。どれだけ酔っ払っても歯は磨いて寝ます。どれだけ疲れていようが、ベッドに倒れようが薄れゆく意識の中で歯だけは磨いて寝ます。当然スタッフは虫歯や歯周病で治療することは滅多にありません。月延べ患者様1千人以上、年間治療回数は1万2千回以上、治療を行っていれば日々のセルフケアの大切さ、歯を失った時のリスクは嫌というほど理解しているからです。

 私の両親は歯科関係者ではありません。歯の知識は全くないまま歯学部に進みました。高校生の頃は虫歯もあり銀歯も何本もありました。

 そんな私ですが、歯科医師になってからはほとんど治療経験なし。昔詰めたところのやり直しくらいです。電動歯ブラシやCMでやっている様な目新しい道具も何も使っていません。単純な毎日のセルフケアに尽きます。歯医者も通っていません(笑)。

 私の母も患者様で通院していますが、メンテナンスの度に同じ場所に毎回歯石がうすーく付いてきます。数年シツコクしつこく言い続け、2020年8月のメンテナンス時には全く付いていない状態に!セルフケアが上手くなったのです、素晴らしい。小さな事ですが、本当に大事なこと。ぐっと歯周病や虫歯のリスクは下がります。

 そしてセルフケアやセルフケアグッズは私より当院の歯科衛生士の方が遥かに詳しくプロ。気軽に相談してみてください。


ノエルクリニック心臓血管外科歯科