診察室では伝えきれないこと Vol.106~愛媛経済レポート~令和6年1月号

~診察室で伝えきれないこと~

愛媛経済レポート

令和6年1月号に掲載されたコラム

 

矯正治療/健康/後悔

 

佐藤的「矯正治療に対する考え方」

 有名な雑誌での「人生で後悔することのトップリスト」に「歯の定期検診を受けておけば」という項目が挙げられます。これは年齢を重ねるにつれ、私たちの「健康」に対する優先順位が上がっていくことを表していると思うのです。が、今の自分の視点から見ると、歯科治療で後悔されるポイントは他にも存在します。

 親や家族が歯科と関係ない職種で、自分が歯科医師や歯科衛生士となって社会に出た佐藤を含む歯科関係者が必ず口にする後悔ポイントを考えてみました。

 一つは、むし歯に対する正しい理解を持っていればよかったということ。もう一つは、材質に関する知識を身につけ、治療を選択すればよかったということ。

 そして、本日の本題…多くの人が挙げるであろう「矯正治療への後悔」。歯は生涯にわたって動き続けます。噛む面が摩耗したり、隣接面がすり減ったりしながら。正しい噛み合わせや機能的な歯並びの重要性は本当に本当に明白。

 実際、多くの歯科関係者は社会人になってから矯正治療を受けます。無論若ければ若いほど良いですが、後悔した日が人生で最も若い日です(当院では70代で矯正治療をする人も)。一度矯正をした人でも、時間が経つと前歯にズレが生じることがありますが、現代はマウスピースを使用することで数ヶ月で前歯の問題を解決可能な場合も多くあります。

 矯正治療は、見た目の改善だけでなく、磨きやすさを向上させ、結果としてむし歯や歯周病のリスクを低減します。治療は保険適用外であり、一見すると高額な投資に感じるかもしれません。しかし、その投資は、自分の身体のためであり、健康を左右する重要な部分に対して行うもの。極端な話、車を買うよりも、自分の健康に投資することの価値は計り知れないでしょう。本コラムでは、今年も歯に対する考え方、価値観、治療の本質に焦点を当てます。2024年、皆様にとって健康で充実した一年となりますように!

 


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