診察室では伝えきれないこと Vol.101~愛媛経済レポート~令和5年7月号

~診察室で伝えきれないこと~

愛媛経済レポート

令和5年7月号に掲載されたコラム

 

8020/歯科治療/

 

全てはその歯を一生使うため

 101回目…初心に戻ります。なぜこのコラムを書いているのか?「全てはその歯を一生使うため」に本質を読者の皆様に伝えたい。ノエルクリニックも10年に入り、先日からHPの見直しを行っているのですが、自己紹介の中にある「何故私がそんなクリニックを作りたいと思ったのか?」この中の内容が初心に戻る意味で適切かと思ったので、10年前の記事ですが少し改変して抜粋します。

 80歳で20本歯を残そう!!

 これが日本で有名(?)な8020(ハチマルニーマル)運動ですが、このキャッチフレーズを謳う前に「日本人の80歳の方が平均して何本歯が残っているか」ご存知ですか?

 答えは約10本(あれ、目標の半分)。しかし同じ80歳でもスウェーデンの方の平均本数は違います。しっかり20本以上…これは、日本人の60歳時の平均本数とほとんど一緒。日本と世界はこんなに差が出ている。それは何故か?実は答えがあります。その答えを正確に伝え、患者様に長く自分の歯を使っていただきたい。「あなたの歯の寿命を10年長くする高水準な治療を提供するクリニック」がノエルクリニックのキャッチフレーズであり、私のクリニック開業の想いです。

―中略―

 医療にはどんなにテクニックが進んでも基本的なこと、変わらない軸があります。私たちはその軸をブラさず、1つ1つ突き詰めていきます。さて、歯科治療に入るその前に、歯のことを少し知っておいていただきたい。

―中略―

 皆様に分かっていただきたい大事な事実があります。それが「歯」の治療とは基本的に元に戻すことができないもの!ということ。

 「風邪」は完治し、元に戻る(元気な状態)ことができます。これが、本来の「治る」ということ。「歯」は一旦削ったり、抜いたりしたら、二度と元には戻せません。感染部分を削ったり、人工物に置き換えたりする…これは「対処療法」でしかない。それが「歯の治療」の特徴であって、最大のデメリット。削って削っての繰り返しは「魔のサイクルです」。

―中略―

 歯科治療は「ゴール」の設定が大切だということ。「悪いところを治療する」…従来の日本型。ここからの脱却を一緒に。設定の違いによって、80歳になった時の自分の歯の本数が大きく変わってきます。自分の「歯」を守るための考え方、ぜひ一緒に考え、行動していきましょう。

 


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