診察室では伝えきれないこと Vol.57~愛媛経済レポート~10月号

 

~診察室で伝えきれないこと~

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10月号に掲載されたコラム

愛媛経済レポート/インプラント/セラミック矯正

何を持って「ゴール」とするのか?

先日当院に1枚のFAXが・・・そこには治療内容の質問ともう一つ「いつも経済レポート楽しみにしてます」とのお言葉が添えてありました。素直に嬉しくなりましたし、これからも頑張ろうと。感謝です!

 本日の話題はずばりこれ。「何を持ってゴール(ヨシ)とするのか?」

 実は、歯科治療の多くは小さな外科処置をしているようなもの。そこには様々なトレードオフの関係(何かを達するために犠牲が伴う)が見られる。

 「若々しい輝きで虫歯になりにくく硬さもいい感じ、そして年齢と共にいい塩梅ですり減ってくれる・・・劣化も少ない。銀歯は7年が寿命なんて論文もあるがうまく手入れすれば「60年」も使用できる。

 そんな夢のような材質、治療・・・あります。でも、これって実は天然歯のコト。よくインプラントは長持ちしますなんて話をしますが、もしインプラントが60年もてばそれは大きな拍手、でも天然歯は基本的なコントロールさえすれば、サラリとそれをクリアしちゃうのです。

 材料学や技術がどんどん進んでいる中でも、圧倒的な天然歯の優位性は素晴らしいものがあり、我々の身体は本当に上手くできているのです。何かを求めるために「天然歯を削る」ことは長い時間軸で考えると大きな犠牲を伴うということです。あなたが若ければ若いほどに(残された時間が長いから)。

 「ゴールはどこか?」どこまで達成すればヨシとするのか。これがすごく大事。すべてを満たす方法はなく、どこかは犠牲にしなければいけない。それは治療期間か歯か痛みか治療費か・・・。

 将来を逆算し、それらを越えるメリットをよーーーーーく考えて決断してください。治療介入によるデメリットはきちんと考えるべきであり知るべきです。と、巷で流行りの「セラミック矯正」なるものをみてて特に感じました。


ノエルクリニック心臓血管外科歯科