診察室では伝えきれないこと Vol.108~愛媛経済レポート~令和6年3月号

~診察室で伝えきれないこと~

愛媛経済レポート

令和6年3月号に掲載されたコラム

歯周病治療/再診間隔/セルフケア

 

歯周病治療後もっとも大切なことは?そして受診期間のベストは?

 歯周病治療後の口腔内環境を維持するためには、患者様自身のセルフケアと定期的な専門家によるプロフェッショナルケアが欠かせません。

 (歯科医師同士でも、患者様間でも)この時に最も議論される点の一つが、そのリコール(再診)間隔です。では、どれくらいの頻度で歯科医院を受診すべきなのでしょうか?

 結論は「その人それぞれ」なのですが、今回は敢えて数字を挙げながら論文から考察してみましょう。

1.歯周病原細菌は、歯茎の下での細菌の再増加は約3カ月で顕著になることが報告されています。これがよく言われる3カ月ごとの受診が一般的に推奨される理由です。

しかしです。

2.プラークコンントロールが不十分な患者さんの場合、歯周病原細菌は治療後4~8週間で早くも再増加する可能性も示唆されています。そのため、このような患者さんには1~2カ月ごとの間隔が適切とされています。

3.長期的な有効性に関する研究では、6年間は2~3カ月ごと、その後は患者の口腔内状態に応じて、3カ月、6カ月、または12カ月ごとに変更しており、これは患者さんの口腔内の状態が安定していれば、間隔を延ばしても良いことを意味します。

 本来は受診の間隔は「人それぞれ」ですが、我々歯科医院が3カ月程度の間隔をお勧めする理由がわかりましたでしょうか?

 ゴールは、長期的に安定した口腔内の環境を維持すること。

 何度も言いますが最も大切なのは「患者様自身のセルフケア」。

 


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