診察室では伝えきれないこと Vol.64~愛媛経済レポート~5月号

~診察室で伝えきれないこと~

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令和2年5月号に掲載されたコラム

歯周基本検査/精密検査/歯周ポケット

歯茎をチクチク刺すあの検査は何?

皆様も歯科医院で経験はありませんか?「ちょっと歯茎がチクチクしますよー」と言われ、歯科衛生士、歯科医師に細い器具で歯茎をチクチク刺された(?)経験。血が出るから嫌、痛いから嫌、なんであの検査をするんだろう。なんて思ったことは・・・?

ノエルクリニックでは基本的にすべての患者様にこの検査(一般的には歯周基本検査または精密検査)を行います。多くの歯科医院も同じように行っていると思いますが、このチクチク検査、なぜ必要なのかについて本日、私が解説したいと思います。

簡単に言えば、CMでよく聞く歯周ポケットと言われる深さを測っています。が!ただ単純に測っている訳ではなく、レントゲンに写る歯を支える骨のラインとよーく比較しながらです。とある団体では認定歯科衛生士にこの試験がある程、術者のテクニックに依存する検査ですし、重要です。歯周病の治療において最重要と言っても良い。

さらに、値を取るだけでなく、プラーク(汚れ)がどこに付着しやすいのか、歯肉が腫れて出血がないか?器具の先端で被せものが劣化して段差になっていないか?等、術者は情報をたくさんキャッチしています。

さらにさらに、歯周病の治療にとって大事なことは、歯周ポケットがあるかないか・・・ではなく、そこに今病気があるかないか!そのことを判断するためには、この検査が必要になります。

1月号で私が書いた歯周病の新分類でも「健康な歯周組織」については「BOPがないこと」とされていますが、このBOPの有無こそチクチク検査で大事にしている指標です。

と、ここまででいかにこの検査が大切か、理解していただけたのではないかと思います。実はこのトピック、いつか文章にしたいなと思っておりました。いい機会なのでこの紙面で。


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