診察室では伝えきれないこと Vol.41~愛媛経済レポート~7月号

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愛媛経済レポートに掲載のコラム

~診察室で伝えきれないこと~

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7月号に掲載されたコラム

愛媛経済レポート/親知らず

親知らずは抜かなければいけないのか?

-抜いたら腫れる。

-半分割って出した。

-えらい大変な思いをした。

そんなイメージがある親知らず。出来れば抜きたくない・・・。そう思って当然かと思います。実際私は抜いておりません。親知らず、ほんとに抜かなければならないのか?そのことについて本日はお話しできればと思います。

結論から

1.しっかり上下の咬み合わせに関与している(咬めている)

2.しっかり磨けて汚れのコントロールが出来ている

3.手前の歯に悪影響がない

この3つを満たしていれば基本的に親知らずは抜く必要がありません。歯としての機能がしっかり果たせるからです。

しかし、多くの親知らずは上記の条件を満たすことが出来ません。それは何故か?

親知らずはその名の通り一番奥に出てくる歯です。顎の大きさによっては、曲がっていたり、後ろ向きに出てきたり、半分埋まっていたり。そんな位置にある歯、上手に磨くことが出来るでしょうか?

多くの場合、コントロールが難しいのが現実です。疲れると親知らずの周りの歯茎が腫れれる、または親知らずが大きな虫歯になってしまうこともあります。で、これだけならまだ親知らずを抜歯すればいい話。もっとも避けたいのは、磨けないことによって手前の歯が虫歯になってしまうこと。上記の2,3合併症。親知らずを守った為に本来守るべき歯を傷つけてしまうのはナンセンスです。本当は1も詳しく説明したいのですが、最後に特異な例を。

他の歯が悪い時に親知らずを移植したり、また矯正して動かして7番目の奥歯として機能させたり。そんなトリッキーな使い方もあります。

大切なのは将来を考慮した全体のバランス!絶対抜くべきでもないし、無理して守るべきものでもない。そして抜くのは一生で一回!


ノエルクリニック心臓血管外科歯科

歯科院長 佐藤 哲大