愛媛経済レポート:診察室では伝えきれないこと Vol.27~6月号~

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愛媛経済レポートに掲載のコラム

~診察室で伝えきれないこと~

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歯周病は細菌が原因と分かったのはいつ頃?

プラークコントロール/予防医療

生活習慣病予防、

歯周病予防、虫歯予防・・・広義の意味で、いわゆる「予防医療」に取り組む医院がとても増えました。国としての政策もそうです。もちろん歯科医院も、ノエルクリニック(当院)もです。今でこそ歯周病、歯肉炎は細菌が起こすもの、そしてお口の中のメンテナンスがいかに大事か!と偉そうに(私も含め)歯科関係者は言っていますが、果たしてそれはいつ分かったのか?実はたったの50年前(1965年の論文)なのです。今回のコラムではその経緯を詳しく、誰よりもわかりやすく?800文字程度で!まとめれれば良いな・・・と思っております。 それでは以下詳しく見ていきましょう。

むかーしむかし、Loe先生

という方がいました。(以下Dr.Loe)1965年Dr.Loeは歯磨きと歯肉炎(歯周病の前段階と思って下さい)の関連性についてある実験を行いました。12人の学生を集めて「よし君たち!歯ブラシをはじめ口腔内をキレイにする行為を当分の間は一切行わないように!いいか!もし磨いたら落第だぞ!(太字はフィクションです)」という指示を出しました。まるで拷問です。10~21日後Dr.Loeが学生たちの口の中を調べてみると、全員見事に歯肉炎を発症。そして歯肉炎を確認したのち、歯磨きを再開したところ2~3日で全員元の健康な歯肉に戻ったそうです。めでたしめでたし。

こんな簡単なことが?

と思われるかもしれません。しかし、歯周病を勉強するにあたり、第一回目で必ずと言っていいほどこの論文が引用されます。それは「プラークの付着が歯肉炎の原因であること」と「歯肉炎の治療にはブラッシングが効果的であること」を証明しているからです。 しつこいようですが、歯周治療の一丁目一番地は「プラークコントロール」。細かい薬の種類や治療方法はハッキリ言ってしまえばどうでもいいのです、きっと。


ノエルクリニック心臓血管外科 歯科