愛媛経済レポート:診察室では伝えきれないこと Vol.24~2月号~

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~診察室で伝えきれないこと~

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治るには、二種類ある??

歯科治療/虫歯

2月も終わりですね。

寒さに弱い私は春が待ち遠しいです。本日のテーマは「治るには二種類ある?」。初診来院された患者様、継続してきてくれている患者様によくするお話があります。それは「治るには二種類」。こんな表現は学術的には間違った解釈だと思いますが、歯科治療を患者様にしっかりと理解していただくためのキーワードです。

まず風邪を想像してみてください。

風邪をひきました。大人しく寝ていました。そして回復。治った時には風邪をひく前の状態に戻っています。ここがとても大事。「健康→風邪→健康」。つまり健康と風邪の間は行ったり来たり、⇔相互通行(表現として正しいかは別)が可能なわけです。

一方、虫歯を想像してみてください。

虫歯になりました。削りました。詰めました。治療完了。治った時には、自分の歯の感染部分はなくなり、人工物が詰まってます。ここがとても大事。「健康な状態の歯→虫歯→人工物を詰めた虫歯の無い歯」。つまり「健康な状態の歯」と「人工物を詰めた虫歯のない歯」は行ったり来たりが出来ません。→の一方通行です。

元々健康な状態で生えてきた私たちの歯。

治療をするたびに詰め物が大きく、そして神経をとり最後には抜歯になる。「あ、私に当てはまってる・・・」そんな方いらっしゃいませんか? 歯は治療できる回数に限りがあるのです。大事なことなので繰り返します。風邪は健康に戻ることができます。虫歯の治療は健康な状態に戻りません。極端に言えば抜歯へ一歩前進するのみです。

(誤解してほしくないのは、治療をするなということではありません。放っておけば一方通行の→のスピードは時間を重ねるごとに加速していきます。)

治療が必要になった場合は、

一方通行の矢印→のスピードを限りなく遅く遅く、自分のライフステージに合わせて設計していくことが大事なのです。決して詰めて終わりではありません。 以上、「治るには二種類ある?」のお話でした。

ノエルクリニック心臓血管外科 歯科