愛媛経済レポート:診察室では伝えきれないこと Vol.14~4月号~
こちらも大好評!
愛媛経済レポートに掲載のコラム
~診察室で伝えきれないこと~
第14回目となる記事が出ています。
診察室で伝えきれないこと vol.14
「予防歯科で有名な30年間の研究とは?」
日本人が歯を失う原因の多くを占める「歯周病」、「虫歯」、大敵ですね。
しかしこの二つの疾患は基本的に「細菌感染症」、極論ですが細菌がなければ起きません。
しかし私たちがいくら徹底的に除去を試みたとしても、お口の中から細菌をなくすことは出
来ません。となると目指すところは「細菌のコントロール」ですが、このコントロール(定
期的なメンテナンス)の重要性について、海外には有名な論文がありますのでご紹介します。
なんと研究期間は1972~2002年までの30年間!
1971~1972年のメンテナンス開始時の年齢別に3つのグループに分けて、定期的にメンテナン
スを行った人が30年間の間に失った歯の平均本数をみてみると、下記のようになります。一番
最後の51~65歳のデータでさえ1.8本、この数字が日本と比べいかに驚異的か…。また、30年間
の間に新たに発生した虫歯の平均本数は、左記のようになります。実は虫歯の約80%は、以前
に虫歯治療を行った部位の2次的な虫歯でした。このことは、メンテナンスを続ければ、新たな
虫歯の発生もほとんどないということを示すと同時に
「被せた歯、治した歯はよりしっかりとしたケアが必要!」
ということを物語っています。このようにメンテナンスを継続していくことは、失う歯の数、虫
歯の発生数を減らし、歯の健康状態を維持するために大きな効果をもたらします。
少し前のコラムに書きましたが、先輩達の後悔していることベスト1である
この機会に考えてみてくださいね。
メンテナンス開始の時期が早いほど、虫歯になる歯や失う歯の本数が少ない。
2月号の「診察室で伝えきれないこと」で書かれていた『後悔していることトップ20』の第1位
『歯の定期検診を受ければよかった』…定期検診を受けたほうがいいということは皆さんもご存
知だと思いますが、こんなにも差が出るということに驚いた方も多かったのではないでしょうか?
日本人の80歳、天然歯の平均本数は12.2本と言われていますが、定期検診を受けることでより多く
の天然歯を残すことが可能です。年齢を重ねても、自分の歯でしっかりと噛んで食事できるように、
歯の定期検診を検討してみてはいかがでしょうか?
次回はどんな内容になるのでしょうか?来月号もお楽しみに…
ノエルクリニック心臓血管外科 歯科:埜下