診察室では伝えきれないこと Vol.58~愛媛経済レポート~11月号

~診察室で伝えきれないこと~

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11月号に掲載されたコラム

入れ歯/愛媛経済レポート/歯科医療

短所は長所にもなる・・・入れ歯の説明を

このコラムでは歯を失った場合、近年需要が多いインプラント等の説明に時間を割いてきましたが、今回は一転!「入れ歯」について一緒に再考してみたいと思います。誰もが歯を一本も失わずに一生を過ごせたら良いのですが、そうはいかないことがほとんどです。イメージではなく歯科医療(入れ歯)に対する「正しい認識」を身につけるキッカケをこのコラムで。

 義歯が敬遠される理由として多いのが「取り外すのが面倒くさい」「大きいので(床があって)違和感がすごい、慣れない」「バネ(針金)が見えるのが嫌」。

 この三本柱、何となくイメージできるでしょうか?これだけ聞くと短所ばかりだなと思いますが、実はこれらの理由は全て入れ歯の「長所」。さて説明していきます。

  • 「取り外すのが面倒くさい」

実はこれ、とても大きなメリットです。なんと言っても掃除が容易。掃除といっても、目的は細菌感染の予防です。その点からも、取り外せて容易に洗ったり手入れができるのは大きなメリット。介助の方がいる場合、取り外して感染予防をすることも可能です。

  • 「大きいので違和感がすごい」

ブリッジは隣同士の歯に負担をかけて歯を支えていますが、入れ歯は、歯茎に入れ歯の床を乗せることにより力を支えています。この仕組みによりブリッジには不可能である大きな設計や隣の歯の負担を減らすことに成功しています。

  • 「バネが見えるのが嫌」

これはその通り、そのとおりなんです。ただ、入れ歯のバネは簡単に修理したり設計や場所を変えたりすることが可能なんです。入れたら壊すまで外せないし設計が変えれないブリッジには不可能。

 義歯は義手や義足と同じ漢字を書きます。義手や義足は使いこなすまでに大きなトレーニングを必要とします。では入れ歯は?そう、入れ歯も同じハズです。どうしても「入れておしまい」となりがちですが、本来は「入れてからがスタート」そう思っていただきたいと思います。それではまた次回。


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