診察室では伝えきれないこと Vol.53~愛媛経済レポート~6月号

~診察室で伝えきれないこと~

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6月号に掲載されたコラム

インプラント/入れ歯/IOD

入れ歯の下にインプラント!?

様々な理由で複数本の歯を失ってしまった方に歯科医師はこう説明することが多いと思います。「インプラントか?」「入れ歯か?」(簡単なブリッジ、移植等は省きます)

 本日説明するのは、超高齢社会にとても注目されており、ノエルでも積極的に取り組んでいる治療法。インプラントの上に入れ歯をロケーターと呼ばれる装置を介して乗せる、その名も「インプラントオーバーデンチャー(IOD)」。

 ま、名前がそのままなのですが(笑)、この方法、多くの歯(全ての歯)を失ってしまった方、今まで使用している入れ歯に悩んでいる方に、とても有効な治療法です。

 以下、簡単に説明します。Aさん、下の歯は一本もない。現在総入れ歯を使用しているが、何とかもう少しだけ安定感が欲しい。もう少し噛む力が欲しい!→そんなAさんには、下の歯ならインプラントを2本埋入し、14本の総入れ歯を支えるというもの。

 2本のインプラントにロケーター(ボタンみたいなモノ)と呼ばれる装置を介し入れ歯を乗っけます。たった2本で?と思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、入れ歯は物凄く安定します。外すのも力が必要なくらい。

 ではこのIOD(インプラントオーバーデンチャー)何がいいのか?通常のインプラント治療と比べた場合、インプラント本数が少ないため大幅に費用が抑えられる、手術範囲が少なく身体への負担が少ない。固定性の歯ではない為(基本入れ歯)、外すことによって清掃が容易であり管理がしやすい(これは超高齢社会にとても大事なこと)。

 もちろん部分入れ歯にも応用は可能であり、うまく設計すれば金属のバネを必要としない設計も可能です。

 インプラントか?入れ歯か?そこにもう一つ、IODか?皆様の頭の中に、少しでも選択肢が増えれば幸いです。


ノエルクリニック心臓血管外科 歯科