愛媛経済レポート:診察室では伝えきれないこと Vol.40~6月号~

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愛媛経済レポートに掲載のコラム

~診察室で伝えきれないこと~

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6月号に掲載されたコラム

奥歯に白い被せ物

保険治療で奥歯に白い被せ物

「先生、保険で奥歯に白い被せ物が入るって聞いたんですけど本当ですか?」

この質問、半分正しく、半分誤解。本日はこの件について、私見を(かなり)交えてお話できたらなと思います。理由は色々ありますが、国が向かっている先は間違いなくメタルフリー(金属をなくそう)。はっきり言って銀歯は体に悪いです。かといって精度が高く生体親和性の高いゴールドは保険診療に入ることはないでしょう。セラミックも同じ。僕自身はゴールドはとても良い材料だと思っています(自分に入れる位)。

そこで、国が推している(?)のは今から説明するCAD/CAMと呼ばれる技術を応用して製作したプラスチックを材料とする被せ物。(CAD/CAMについて詳しくはバックナンバーを参照)

実はこのプラスチックの被せ物、小臼歯(4番目と5番目の端)には、約4年前から保険適用されております。しかし大臼歯に使用するには、耐久性の問題などから保険適応となっておりませんでした。

患者さんにとってのメリット

・比較的安価な値段で、奥歯に白い被せ物が入る!

・今後主流になる(だろう)CAD/CAM技術の応用であること。

さて、ここからは私見をだいぶ交えます。実はこの治療、保険適応させる為には色々条件があり、要約すると「過度な咬合圧が加わらない場合等において6番目の歯に使用する場合」と書いています。このコラムでも昔書きましたが、人間の歯の主咀嚼部位は6番目。ここの場所の被せ物の精度、接触強さ、調整が最も大事。これ、論文で分かっていること。その部位に「過度な咬合圧が加わらない場合等において6番目の歯に使用する場合」っていうのは、僭越ながら述べさせていただくと・・・。

まだまだ耐えうる強度じゃないんじゃないの。とも思うのです。否定はしてないですよ、でもそこの部分、僕たちも患者様にきちんと理解していただくところかなと。


ノエル医科歯科クリニック 歯科院長 佐藤 哲大