愛媛経済レポート:診察室では伝えきれないこと Vol.33~11月号~
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愛媛経済レポートに掲載のコラム
~診察室で伝えきれないこと~
今回の記事はこちら
その痛み、本当に歯が原因ですか?~その1
患「先生、3日前から歯が痛くて・・・私、虫歯はないはずなのに治らないんです。」
私「どんな時?」
患「特に、上向いた時に上の奥歯が痛いんです。」
私「最近、風邪ひいてない?鼻詰まってないか?」
患「・・・そういえば」
私「CT撮って見たらきっと分かるよ。」
この会話、ちょっと医師と患者さんの会話にしたら雑かもしれません。
実は従業員の歯科衛生士さんと私との会話です。 この後院内でCT撮影した
結果は「上顎洞炎(じょうがくどうえん)」。原因は歯ではありません。
副鼻腔の一つ、上顎洞の炎症が上の歯の根っこの近くで起こるため
患者さんは、歯が痛く感じるんです。 なぜ今回このテーマを取り上げたかというと、
プロの歯科衛生士でさえ(副鼻腔炎)上顎洞炎を歯が痛いと思ってしまうから。
それでは副鼻腔炎とは?
副鼻腔とは鼻腔と通じている空洞のこと、そこに炎症が起きることを
副鼻腔炎と呼びます。「蓄膿症」ってよく聞くと思います。副鼻腔は
鼻の周囲にあり、鼻の脇からおでこの部分にかけて4つ。 副鼻腔炎には
歯が原因で起こる「歯性上顎洞炎」と、鼻づまりなど鼻が原因で起こる
「鼻性上顎洞炎」があります。今回のケースは「鼻性」ですね。前述した
ように副鼻腔にはいくつかあるのですが、特に副鼻腔の中でも上顎洞が
上顎の歯に近く、今回のテーマのような臨床例がよくあります。
その痛み、本当に歯が原因ですか~その1~。実は「その2」「その3」も
今後小出ししていく予定です。お楽しみに。
ノエルクリニック心臓血管外科 歯科