愛媛経済レポート:診察室では伝えきれないこと Vol.31~10月号~

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愛媛経済レポートに掲載のコラム

~診察室で伝えきれないこと~

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歯を磨かなくても歯周病にならない??

歯周病

 

患者様には誤解を防ぐため、

「歯を磨かないと歯周病になりますよ!」なんて毎日言っておりますが(これはこれで正しい)、今日はその逆!「歯を磨かないとどうなるのか?」という点について、少し古いですが、論文引用から考察していきたいと思います。

今回もDr,Loe先生(実は前にも登場)、

1980年代の論文からの解説です。 その研究概要とは・・・まーったく歯を磨く習慣のない、また歯を治療もしたことがない「スリランカの紅茶農園の方」。これはこれで凄いのですが、その人たちを480人も定期的に検査した歯周病の進行や発生についての報告です。 一生歯を磨かない人たち、一体どうなるのでしょうか?字数の関係で結論を急ぎます。 8%が急速な歯周病の進行がみられ、81%が中程度の歯周病の進行がみられ、11%がほとんど歯周病の進行がみられなかった。 つまり10%は大丈夫。同時に9割は歯周病になり、その中でも1割は非常に進行した歯周病になることも示されています。

少し不確かですが、

歯周病治療の世界的権威Dr.Lindheが2002年の講演で 「10%は抵抗力がかなり高い」 「10%は感受性がかなり高い」 「80%は中間」 と発言されています。

歯周病は、世界で一番多い細菌感染症なのですが、

本質論としては「バイキンと身体の均衡の崩壊」。自分のリスクを理解しなければ、感受性の高い方は早い時期に多くの歯を失ってしまう・・・(研究では15歳でも急速に進行した例もあり)。歯周病が後戻りが可能な疾患であれば、何も言いません。が、進行した歯周病は治療自体が非常に困難な場合も多く「もう少し早く・・・」と心の中で叫ぶこともしばしば。

今回のコラム、

歯を磨かなくても大丈夫ということではありません・・・しっかり管理しましょうねということですよ(笑)


ノエルクリニック心臓血管外科 歯科