被せ物、詰め物のやり直しに対する認識のズレ
「永遠に寿命がある被せ物、詰め物なんてない」と思っている歯科医師。
「被せ物したし、これでOK」と思っている患者様。
「根っこの治療に100%の成功はない」と思っている歯科医師。
「根っこの治療したら治ったもの」と思っている患者様。
「入れ歯を入れつつここからリハビリがスタートだ!」と思っている歯科医師。
「入れ歯を入れたらすぐに噛める」と思っている患者様。
この認識の「ズレ」は、不幸を生みます。特に気になるのが未来の再治療に対する捉え方。歯科医師と患者様にだいぶ差があるなと。今回は佐藤の考え方を…。
年齢にもよりますが「歯科治療は基本的に再治療の可能性がある」と捉えています。
つまり歯を一生残すためには
① そもそも治療にならないように予防を徹底する
② 再治療にならないように今回病気になった原因を潰しておく
③ (未来)再治療になった際に、総合的に歯のダメージをどれだけ少なくするかを考えて治療する。
①と②は何となく理解されていても、③を患者様と共有できてないことが多いのではないか?
例1 再治療になった時に、削る量の少ない材質を選択して治療しておく。
例2 (比較的若い方に対して)今は、削る量の少ないプラスティックの修復をしておく。ただしこの材質は強度が弱い為に再治療の可能性が高い。それでも今はプラスティック。壊れてももう一回はプラスティック。あと10年たって再治療に至った際には、強度と審美を備える材質を選んで被せる。
例3 今現在ブリッジを入れれば、簡単に解決する歯の欠損。ただし、このブリッジを支えている歯の予後は△、未来にブリッジが再治療になれば2本の歯を失うことになる。それを防ぐ為に予防の意味も込めてインプラント治療を部分的に行う。
例を挙げればキリがないのですが、どれだけ未来を考えて治療するか。すごーく大事なので、少し気にしてみてください。