
「歯医者さんはなぜ数か月ごとに来てくださいと言うのか?」
という疑問には、明確な基準があります。通院間隔はただの習慣ではなく、患者さんの「リスク管理」に応じた予防の視点からなのです。
例えば、噛む力が強い「パワータイプ」、虫歯になりやすい「カリエスタイプ」、歯周病が進みやすい「ペリオタイプ」、そしてそれらが混ざり合ったタイプなどに分類し、それぞれの再発や進行スピードが違うため次回来院までの間隔も変わります。
ここに「2:6:2の法則」があてはまります。全体の2割は特に問題が少なく、6割は中程度、残りの2割はハイリスクに集中するという考え方。例えば歯周病なら、少しの磨き残しでも進行が早い人もいれば、多少雑なケアでも進行が遅い人もいます。この差は生活習慣や遺伝的要因などが複雑に関わっており、一律には測れません。したがって「何ヵ月ごとに来てください」という言葉の裏側には「あなたのタイプでは、このくらいの間隔でチェックした方が再発や進行を防げる」という計算が隠れているのです。
私自身もその背景をきちんと共有できているか省みることもあります。今後は通院間隔をオーダーメイドの健康管理プランとして、患者さん自身にもリスクタイプを理解していただけるよう努めたいと思います。